蜜蜂

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「ほら。」


亜也と杏花を引き離す。亜也が頬を膨らませるが気にしない。


「えと…千明……。」


俺の後ろに隠れる杏花。可愛い。何気に人見知りなのか。


「大丈夫だって。」


「ちぃ、澤木ちゃんもお昼一緒するの？」


「そ。いい？」


「いいよー！あたし時川亜也ね。よろしくー」


亜也が笑顔で自己紹介しながら手を差し出す。
杏花がそれに促されるように握手をし、


「えと…澤木です。」


とだけ自己紹介した。


「きゃーやっぱり可愛いっ！」


「きゃっ！」


亜也は、今度は握手した手を引っ張って杏花に抱きついた。
彼女は声を上げたが、今度はそんなに抵抗してない様子。
本気で羨ましいなぁと思った。


「わーまじで澤木杏じゃん。」


「ヒカリ。」


向こうで座って見てたはずのヒカリが寄ってきて、くっついている二人を顔を覗き込むように見やった。
杏花は新たな人間の登場に、かなり目を見開いていた。


「…ヒカリ？」


彼女が俺に顔だけ向けて尋ねた。


「そう、榎本ヒカリ。名前女みたいだけど男だから。
ちなみにこいつら俺の幼なじみ兼親友ね。」


と紹介した。
杏花はやっと相手の素性を知り、安心したのか少し表情を緩めた。




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