黒アゲハ Ⅲ -運命- 【全完】
辺りに拳銃の音が響いた。
反射的に瞑った目をゆっくりと開ける。
あたし…生きてる。
そして目の前の光景に目を疑った。
「……純!?」
倒れ込んでいる純を抱き起こす。
胸からは赤い液が垂れていた。
「純…なんで…?なんで……」
「……泣く、な」
震える手であたしの涙を拭う純。
あたしはとっさにその手を握った。
「ごめんな…」
「なんで謝るの?やだよ、お別れみたいじゃん…」
すると純は「──結奈、愛してる」と微笑んだ。