あの日を追って…
「いけない…もぅこんな時間だ…」
アランはシャルアムを起こしに行った。
ドアを静かに開ける。
「シャ…」
ドアを開けた瞬間、クッションがアレンの顔に命中した。
「おっそーい!」
シャルアムは口をふくらませてアランをじっと見た。
「シャル!?急になにす…」
シャルアムは今度は枕を投げてきた。
「アランは遅いのよ!」
シャルアムは朝から不機嫌だった。
しかしアランには不機嫌な理由がいまいち分からなかった。
「アランが遅いから…エドワードが起こしにきたじゃない!?」
「…」
「…は?」
シャルアムは軽く涙目だ。
「アラン、あなたエドワードを見くびってはいけないわ!」
「…はぁ」
「あれは まず、キモいわ…」
アランはキモいの意味が理解できなかった。
「…あの…キモいとは?」
シャルアムはびっくりしたように言った。
「あぁ、きもちわるいの略で最近流行ってるのよ?若い貴族の間で…」
「し…知らなかった…」
アランは流行語を勉強しようと思った。
「まず、起こす時!彼はまず私の胸に手をあてて揺さ振ってくるわ…」
「!?」
「確かに昔はよくそうやって起こしてもらったわ!でも私は一応レディですのよ!」
アランはリアクションに困ったため、少し笑ってみる。
「あ…エドワードの話をするだけで吐き気が…本人には内緒ですよ!私の友人のお父様であられるから」
どこまで嫌いなんだろうか。
そう言えば、前にエドワードの話を聞いたことがありシャルアムがエドワードの話をそらした事があった。
つまりそれはこういう事だったのだ。
その後、
シャルアムの髪を結い、アランは朝食を取りに行った。