あの日を追って…
「何ですか…これは!」
アランはシャルアムに尋ねた。
「んと…お洋服ぅ…」
「僕が聞いているのは、そんなことじゃなくて…これ…女物じゃないですか!」
アランはベネチアにメイクアップされていた。
シャルアムは白状した。
「彼が来るの…」
「彼?」
アランは聞き返した。
「えぇ。私の幼なじみ…その…私の婚…」
アランには聞こえなかった。でもその後のシャルアムはうつむいたまま何も言わなかった。
「それで何で僕が女性にメイクアップされなくてはいけないのですかっ!」
アランの顔は真っ赤だ。
かなり恥ずかしいらしい。
「本当にごめんなさい。でも…彼…私以外に女の子がいないとセクハラするんですもの…」
「!?」
「昔はあんなじゃなかったのに…」
「だからと言って、僕じゃなくても…」
アランが言い掛けるとシャルアムが声を上げた。
「貴方がいいの!」
「!?」
「貴方といると安心するのよ…」
「シャ…」
アランが話そうとした
その瞬間、ドアが今日に開いた。
「シャルアム、また来たよ」
そこには長髪でオレンジの髪をした少年が立っていた。
「あぁ、そこのレディは初めてだね?」
アランはシャルアムを見た。シャルアムはかなり困っているようだったため、アランはこの話に乗った。
「えぇ。お初にお目にかかります…えっと…アラ…アイラと申します。」
アランはなりきった。
女に!
「君は…」
早速ばれたかとアランは目をつぶった。
「君、すごく可愛いね」
「はぁ…」
「シャルアムのお友達?」
少年はシャルアムに尋ねた。
「えぇ…」
シャルアムはアランを見て助かった、と言う表情を見せた。
「僕はウィリアム。君にはウィルって呼んでもらいたいなぁ。」
「は…はぁ…」
アランは会話の対応に困ったりしたが、シャルアムの従者らしくその場を乗り切った。