あの日を追って…
流れるままに
アランは部屋の清掃をしていた。
「アラン…ちょっといいか…」
「はい。そこにいたのはエドワードだった」
「はい。何でしょう」
「お前、この前部屋を開けっ放しで寝ていただろ。無用心にもほどがあるぞ」
「開けっ放し?僕は必ずドアを閉めて鍵までかけているんですよ。そんなことあるはずが…」
アランはそう言うとエドワードはそうか、と呟くとアランの肩をポンと叩いた。
「エドワードさん?」
エドワードはコホンと咳をすると話を切り替えた。
「では、アラン。本題に入るぞ。旦那さまからの伝言を知らせにきた。」
「旦那さまから?」
アランは首を傾げた。
「あぁ。お嬢様は今日、資料館へお出かけになるから付き人をするようにと。」
エドワードはそう言うと頑張れよと背中を叩き廊下を歩いていった。
アランはもう一度エドワードの言葉を思い出していた。
「エドワードさんは嘘はいわないからな…。部屋が開いていた…か…そういえば朝起きたとき鍵が閉まっていなかった日があったな…」
アランはそう言うと箱をポケットに入れた。
「盗まれては大変だからね…」
アランは部屋を出た。
すると誰も居ないはずの部屋から舌打ちが鳴り響いた。