あの日を追って…
「未知の箱」
この事はいずれ世界中を驚かすだろう。
私はある箱に遭遇した。
箱の名は「one wish」
あくまでも私が付けたものだが。
私の研究所では「願い箱」と呼ばれている。
この箱は驚くことに願いを1つだけ叶えられるという。
しかし、その願いを叶えると引き替えに自分の一番大切なものが箱のなかに収納されてしまう。
箱はデリケートであり、
傷を付けると時に中身がもれる事がある。
大切なものが箱から全てでてしまうと、願いは無効となる。
簡単にまとめてみたのには理由がある。
次のページからは
「願い箱」について詳しく説明しようと…
−−−−−…
言葉が途絶えた。
「何だ…これは…白紙じゃないか…」
何処を開いても白紙、白紙、白紙…
「どうしたの、アラン?」
シャルアムはアランに問い掛けた。アランは本を閉じてシャルアムに笑いかけた。
「いや…何でもありません」
「そぅ…」
シャルアムは新聞に再び目を向けた。
アランはシャルアムにこの本の事を話すのを拒んだ。
何故だかは分からない。
ただ、体の全てが
止めろ
とアランに訴えていただけであった。