あの日を追って…
母なる姿
この日の夜は少し冷え込んだ。
「ねぇ…アラン…」
「…はい。」
シャルアムは窓から夜空を見上げながらアランに問い掛けた。
「お母様って私の本当のお母様なのかしら…」
シャルアムの横顔は少し悲しめだった。
「何を仰るんですか…シャル。正真正銘あなたのお母様に違いありません」
アランはにっこり笑った。
「でも…私…昔の記憶がほんの少ししか思い出せなくて…不安なの…夢で見る母とお母様の姿が違…」
アランはシャルアムが言い切る前に優しく話した。
「シャル…心配いりません。夢は夢でしかありません。今日はもぅおやすみ、シャル…」
シャルアムは微笑むと
静かに話した。
「そうよね、変な事聞いてしまってごめんなさい。アラン、お休みなさい…」
アランはろうそくの火を消すとシャルアムの部屋に鍵をかけて出ていった。
先ほどは、あんな風に言っていたが、アランも本当にシャルアムの母なのか気になっていた。
確かに、似てないもんな…
アランはそう思った。
シャルアムは金髪で母親は紫。
シャルアムは大きな優しい目をしているが母親は目は細くつりあがっている。
シャルアムは…
と上げていくとあることに気づいた。
血液型…容姿…性格…
全てにおいてシャルアムと母親は正反対という事。
何かありそうだ。
アランは手元のろうそくを優しく消すと眠りについた。