あの日を追って…
アランはドアをノックした。
「失礼します」
アランはドアを開けてへやを覗きこんだ。
「何をこそこそしておる。
入るがよい」
シャルアムの母ヴェルディの声がした。
だがヴェルディの姿はどこにもない。
「座るがよい。」
再び暗い部屋の中から声がした。
「そなたに周りをうろつかれては困るのでな。」
アランが椅子に座った瞬間だった。
電気が消えた。
「!?」
アランは出ようとした。
「!?」
ドアには鍵かかかっている。
嵌められた…
暗いのが慣れてきたころ
だんだん部屋が見えるようになってきた。
確かここはヴェルディが造らせた屋敷から離れた部屋のタメ声は屋敷に届かない。
ここはヴェルディが人を嫌うため立ち入り禁止になっていて人はいない。
「…ん」
アランは気付いた。
机の上に紙がある。
“殺したら出してやる”
「殺す…?誰を…」
アランは机を捜索した。
すると引き出しからシャルアムの写真が出てきた。
顔を塗り潰されていたが…
その時アランは思った。
ヴェルディはシャルアムを殺しに…!?
その時アランは思い出した。
ベネチアさんからもらった紙に書いてあった言葉を。