あの日を追って…
懐かしき記憶
ドサッ…
アランはやっと地に降りてきた。
「全く、遅かったね、アラン君は♪」
ベネチアさんの声…
目をあけるとベネチアさんがアランをお姫様だっこしていた。
「な、な、な、な!」
「アラン君怪我するかもしれないから落ちてくるのずっと待ってたんだから」
「あ…ありがとうございます。その…下ろしてください」
アランは恥ずかしいのかベネチアから目を反らした。
「アラン君は可愛いね♪」
「あの…早く…」
ベネチアさんはゆっくりとアランを下ろした。
「さて、アラン君。ここは何処だと思いますか?」
周りを見渡すとここはホールのような所で向こう側は暗くて見えない。
「ここは…?」
「何処だと思う?」
ベネチアは柔らかい顔で静かに答えた。
「君が記憶を失った所。」
「!?」
ベネチアはそう言うとアランを静かな表情で見つめた。
「実は貴方をあの部屋に閉じ込めたのは私。あなたに伝えなきゃいけないと思って…」
「何故…」
アランはベネチアに問い掛けるとベネチアはうつむいた。
「私は…」
「シャルの記憶の破片だから…」