あの日を追って…
「アラン君、今から貴方を過去へ誘います。その目で無き記憶の一部を見てきて…」
アランは微笑んだ。
「はい」
ベネチアさんが手を放すと辺りが暗くなった。
何も見えない。
「兄さまぁー」
遠くから容姿の整った可愛い女の子が走って来た。
「シャル…!?」
「お兄さまぁー」
アランは後を追い掛ける。
「全くシャルは…何処へ行っていたんだい??」
「お兄さま!!」
アランは驚いた…
シャルと思わしき女の子を抱き上げたのは…
「僕…??」
まさしく鏡に映った自分と似ていた。
「お兄さま、おかぁさまにね、お花をつんでいたの!」
「あははは!シャルはお利口さんだなぁ」
少年はシャルを下ろした。
「じゃぁ会いにいこうか。体が弱ってて外に出れないから、きっと喜ぶよ!」
アランは少年と女の子を追った。