あの日を追って…

「嘘…貴方が…兄…様…」

シャルアムは
気が動転していた。


少年は何も言わなかった。

ヴェルディは狂ったように笑いだした。


『長い年月をかけてお前は人の姿を得たようだが…無駄に時間を使っただけのようだな…!!!』


「…何を」


ガチャガチャ…

ドアの鍵をこじ開ける音が聞こえる。

『外にはたくさんの兵士がいる。いくら貴様でも魔石には適わんだろう…??』

「…くっ…」

少年の表情が険しい。

『魔石は人間には害が及ばないが、人でないもの…つまりお前は魔石に少しでも触れると消滅するだろう。』

「…いつの間に兵士を…」

『我が部屋から1時間近く出てこなければ兵士達を向かわせるように指示した。もぅ貴様の負けだ。』

「今貴方の息の根を止めるのも僕にはできる!」

ヴェルディは嘲笑った。

『無駄だ。貴様も薄々気付いているだろう…??貴様は我を動けなくすることしかできない…』

「…ッ」

『我の体には薄く魔石が伸ばしてある。我が死ぬと周りの魔石は弾けとび、貴様を貫通しかねない。』

『貴様は我を殺せない』

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