あの日を追って…
ヴェルディのいつもの自信に満ちあふれる態度はどこかへ消えていた。
「貴方が過去、僕達にしたこと。貴方が今まで壊してきたもの…元に戻せないものもある…。でも貴方はこれから、それを償っていけばいい…」
アランはヴェルディに近づく。
『寄るな!我に触るな!』
アランはヴェルディの所にしゃがみこんだ。
『離せ!いやだ!我はまだやる事が…!』
アランはヴェルディの不自由な体を解く。
『何を…』
「シャルは貴方を少なくとも母親と思ってる。」
『我に母親など勤まるものか。ましては憎い女の子供など…』
アランはヴェルディの手を握った。
「憎いんじゃなくて、大好きなんじゃないかな…?貴方は親友である母が大好きだったから余計に憎いんだ。」
ヴェルディは口を開いた。
『…大好きだったのかの…我はあの女が…』
アランは笑む。
『お前さんは…
あの女によく似ている…
だから…嫌いなんだ…』
ヴェルディは少し笑むと泣き出した。
「我は憎かったんだ…!我の愛しき方を知りながら奪うから…我は信じていたのに…」
それはまるで少女のように。
今まで我慢していたものを吐き出すように。
ヴェルディは泣き続けた。
己のしてしまった事に気付き後悔するように…