clover
「皆さーん。隣の病室の新しい仲間ですよ。」
??
あぁ、そういえば手術が終わった女の子が、
隣の病室で退院まで過ごすとか言ってたっけ。
何が仲間だ。
この病室には軽い病状の人たちが多い。
唯一重い病状の僕を、
同情の目で見る...
そんな奴らが、仲間なのか。
看護士の声を無視して
窓の外の桜を眺める。
もうすでに薄桃色の花びらが
はらはらと散り始めている。
僕もいずれ、
あんなふうに......
好きだったはずの桜を見て気分が悪くなる。