涙流~~RURU~~
『感謝してる…ありがとう』



初めて聞いた母からの言葉だった。



そして、母は話を続けた。



「なんか改めて言うのも変かしらね?でもお母さんはいつもこうして琴ちゃんに助けてもらったり、支えてもらっているのよ」



そんな事…思ってくれてたんだっていう事実。



全然考えた事なかったけど、なんだか…少し嬉しくなった。



いつも忙しくて、時間のない母…。



きっと心の中に私はいないんだって、いつも寂しかった。



『近くても遠い人』って小さい頃からずっと思ってた…。



甘えたくても甘えるのが怖かった人。



甘えたら母に受け止めてもらえる自信がなかった私。



それでも、やっぱり母は『私の母』でいてくれたんだ。



私のことを思ってくれてるのかなって、そう思えたら、



久しぶりに母の前で笑顔になった私がいた。
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