涙流~~RURU~~
「海道君が一緒なら頑張っちゃおうかなぁ~♪」



「そうだよね~!チャンスじゃん」



「ねっ」



教室のあちこちで女の子達の小さな声がする。



なんだそれ…。



海道貴人にだって聞こえてるね、きっと。



でもそんな声にも全然表情を変えないあいつ。



やっぱ…モテるんだね…。



「誰かやってくれる人、いませんか?女子、あと2人です」



海道貴人がそう言うと何人かの女の子が、恥ずかしそうに迷いながらも手を挙げた。



最初から手をあげろっつうの…。



「ありがとうございます。じゃあ、手を挙げた人で話し合って出場する2人を決めてください」



海道貴人がにこやかに言う。



「それじゃあ、あたしは別に出なくてもいいんで、出たい人にお願いしたいです」



私は大きな声で言った。
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