涙流~~RURU~~
その瞬間、日南と目が合う。



ヤバッ…怒ってる??



でも、だって…だってそうでしょ……。



私…出たくないんだもん。



日南が私に何かを言おうと口を開けた瞬間、



それより先に海道貴人が話し出した。



「渡辺さんは早いうちからの立候補ですし、ここにいる竹中日南さんからの推薦でもあります。誰だって初めてリレーに出る時は緊張しますよ。だから、大丈夫です。一緒に頑張りましょう」



何それ??



私に向けられたあいつの穏やかな口調…。優しい目…。



私に向かって囁くように話す海道貴人。



なんか調子狂う。一緒になんか頑張りたくないって。私はそう思ってるんだよ。



なのに、



なんでそんな目で見るの?



そんな目で……みんなの前で見ないでよ…。



「琴弥、うちからのお願い!一緒にやろうよ!」



日南が私の席のそばまで来て、両手を合わせるポーズをする。



なんでこんな展開に?



そして、海道貴人の視線と日南の言葉に…頷くしかなかった私…。
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