涙流~~RURU~~
校庭にはリレーの練習をする男子4人がいた。



あれ…??女子のあと2人は…今日もさぼりだね。きっと。



最初の何回か顔を出したけど、それから全然来ないその2人。



「やっと、来たか。まずは走り込みから始めて!!とりあえず校庭10周ね。終わったらこっちの俺らと合流ね」



海道貴人が私達の姿を見て、遠くから大きな声で言った。



「えぇーーーーー!10周もぉーーーーー??」



私と日南で声をそろえる。



山崎さんと増川さんがさぼるのも分かる…ってか同感。



私も日南がはりきってなかったら、絶対今ここにいないと思う!!



でも……ここ何日かで確実に体力はついた気がするけど……。



最初の頃はとにかく筋肉痛で痛くて、痛くて辛かったけど、今は余裕が出てきているし……。



「うわぁ~!いじめだぁ…」



日南はブツブツ文句を言いながらも走り始める。



「日南、待ってぇ」



私もゆっくりと日南の後をついて行った。



走っていくと、10月の涼しげな風が素肌にあたる……。



リズムよく聞こえる自分の足音と呼吸……。



今まで思った事もなかったけど、走るのって楽しいかもって…、



こういうのもいいなって、思い始めている自分がいた。
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