涙流~~RURU~~
しばらく行くと海道貴人の足が止まった。



そこには小さな公園があって、海道貴人は公園の入り口脇に自転車を置いた。



私もやっと追いついて、切らした呼吸を整えるように深呼吸をして、立ち止まった。



「なんか勝手すぎない??何よ、言いたい事あるならここで聞く。聞いたらすぐ帰るから、早く言ってよ」



そう言う私に視線を合わさず、海道貴人はそのまま公園へ入って行った。



ちょっと…聞いてるの?人の話!!



ブランコに滑り台。そしてベンチが1つ。



日が沈んで誰も遊ぶ姿もなく、どこか寂しげな静かな公園。



海道貴人はベンチに座った。



そして、黙ったまま、こっちを見てる。



仕方なくゆっくりと近づく私。



「ごめん…ムカついてる?琴弥…?」



やっと口を開くあいつ。……当然ムッとしてる私。



「だから何なの?早く言ってよ」



座ってる海道貴人は、私の投げやりな言い方に少し困った顔で私を見る。



「なんて言うかさ…落ち着いて話したかった。でもいつもお前のそばには竹中がいるだろう?こうでもしないとこんな時間作れないから…。ごめん…な?」



「・・・・・」



海道貴人の言葉に小さくため息をついた私。



「ってか…座ってくれる?」





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