涙流~~RURU~~
風が吹くとかすかにブランコが揺れる。



ギィー、ギィーってなんだか悲しげな音を出す。



その音が辺りに響き渡るくらい静かな公園。



一瞬、戸惑いながらも、あいつの横に座った私。



横を向いたらあいつの肩に触れそうで、左側を意識してしまう…そんな距離だった。



こういうのはなんか嫌。



そばにいるからか、落ち着かない感じがして左側に神経が集中してるのが自分でも分かる。



海道貴人はどんな顔してる?私に何を言うの?



横を向きたいけどなんとなく抵抗があって、私は前を向いたまま座ってた。



「やっと、すこし落ち着いて話せるな。あぁ~なんなんだよ…めっちゃ緊張してる…だせぇーな…俺」



「話聞いたら帰るから」



「分かってる。じゃあ、まず…こっち向いてよ」



「はっ…?なんで…」



「・・・・・」






海道貴人の手が私の肩に…。そして、私の体を自分へと向ける。



びっくりして…



驚いて………



次の瞬間には、海道貴人の顔が目の前にあった。

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