涙流~~RURU~~
「ちょっと…な…んで?っ……」



こんなにも近くにある海道貴人の顔……。



なんだかまともに見れないあいつの顔……。



「俺のこと、ちゃんと見て、俺の話、ちゃんと聞いてほしいから…」



「聞くから…手を…離して」



肩にある手をどけようとする私。



その私の手をぎゅっと強く握に返す海道貴人の手…。



え……?



ちょっと……。



嫌だ……。



智也君以外の人にこんな風に触られたくない……。



だからお願い……。



そんな風に触れないで。



心の中で思うのに…言葉が出てこない。



智也君とは違う感覚……。



次の瞬間には、



グイっと引き寄せられて抱きしめられていた。



「・・・・・」



身動き出来ないくらい強い力で私を抱きしめる海道貴人。







そしてゆっくりと呟く…。







「好…き…だ」

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