涙流~~RURU~~
え……?好き……?



好きだって……今、そう言ったの??



私を??



なんとなくは……感じていた。



分かっていたような思い…でも本当に?



「苦しいよ…離して…」



私の肩に海道貴人の顔が埋まってる。



力強く抱きしめる腕は私を引き寄せたまま、離さない。



「好きってこんな気持ちなんだ…な」



と、小さな声。



海道…貴人…?



小刻みにかすかに震えてる体。声もどこか頼りない…。



いつものあんたじゃないみたい。



そんな弱さ見せないでよ。



震えてるの?顔が見えない。



答える言葉が見つからない私をあんたはどう思うのかな。



ごめん…。



今の私には本当に返す言葉がないんだ。



どうすればいい?



このまま私が抱きしめられたまま、無言のままでも気持ちは伝わる?



でも私はこうしたままでも、海道貴人ではなく『智也君』を思ってるんだよ。



あんたの思いに包まれても、私の思いは智也君で包まれてるから。



いつでも『私は智也君が好き』なんだ。






ごめん……ね……。

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