涙流~~RURU~~
「お前の気持ちは分かってる。でもどうしても言いたくて…言っても辛くなるかもしれないけど、言わないでいるほうがずっと辛いって…そう分かったから…言えてよかった。なんか…ありがとな」



海道貴人はゆっくりと顔を上げて、私を見つめた。



照れたようなその柔らかな表情を初めて見た気がした。



「うん…こっちこそ…ありがとう…それと…それと…えっと…ごめんね?」



これが今の私の精一杯の気持ち。



そして、返事。



それでもやっぱり…気持ちを伝えてくれたことは嬉しかったからね。



だから………



言ってくれてありがとう。



伝えてくれてありがとう。



『好きって思う気持ち』は大事だよね。



私には分かる…海道貴人の思いは、言葉になって私にちゃんと届いたから。



気持ちをありがとう。







「じゃあな…また明日な。体育祭も頑張ろうな!」






「うん」






海道貴人の後ろ姿を見ながら、私は思ってた。



『ありがと…ね…ありがとね』って……。













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