涙流~~RURU~~
その男と少しの間、話をする琴弥。



目を合わさず頬を薄っすら頬を赤らめて……。



そして、その男は琴弥のそばから離れていった。



琴弥に背を向け歩き出す男を見る琴弥。



・・・・・。



その時の琴弥の顔を見た俺は、多分情けないくらい悲しい顔をしてたかもしれないね。



・・・・・。



俺の心は一瞬にして凍りついたんだ。



琴弥は俺にしかそんな顔しないはずだろっ……てね。



悲しげでいて…愛しそうに…どうしてそんな目でそいつを見るんだよ。



そして俺は琴弥に聞こえるギリギリの声で、琴弥を呼んだ。



「琴…弥?」



俺には余裕なんかなかった。



ただ振り向いてほしかっただけ。



「と…智…也君…」



振り向いて待ってたよって、本当は笑ってほしかったんだ。



それ以上は望んでなかったんだよ。



「探したよ…やっと見つけた」



それなのに琴弥・・・・・



そんな顔すんなよ・・・・・。


< 173 / 219 >

この作品をシェア

pagetop