涙流~~RURU~~
3位のチームとの差はもうわずか…何メートルもない。



あと少し…あと少し…頑張れば……。



増川さんは練習の時には見せなかったような走りを見せる。



そしてバトンを私へ・・・・・。



バトンを受けるのは上手くいった。



後は・・・・・走る。



・・・・・私の、私なりの・・・・・走りを・・・・・。



前を走る背中を追うだけ。



風を切りながら、他には何も考えず、



私は走った。



地面を思いっきり蹴る・・・・・そしてそこから生まれるリズム・・・・・。



前を走る背中を横切る・・・・・。



そして私が前に出る。



声援の声も耳に入らないくらい、私は走る事に集中していた。



気がつくと前には7番手の海道貴人がいた。



真っ直ぐ手を伸ばして、私を見てる。



私も手を伸ばす。



私からあいつへ渡るバトン・・・・・。
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