涙流~~RURU~~
バトンを受け取ったあいつは多分一瞬微笑んでたような気がした。



順位は3位。海道貴人は4位になったチームとの差も広げていく。



速い・・・・・。



やっぱりあいつの走りは・・・・・速い・・・・・。



その『完璧』と言っても大げさじゃない、その走りは、



とても綺麗で、そしてしなやかだった。



こんな走りを見たら誰だって見とれてしまうんじゃないかって思った。



それくらいに芸術的な走りだったから。



2位との差も縮まり、後はアンカーの高橋君へとバトンを渡す。



走り終わったあいつは、たいして息を切らす様子もない。



そのまま、私達のチームのメンバーがいるところへと駆け寄って来た。



「後は高橋にお任せだな…みんなよく頑張ったじゃん。みんな最高だよ」



海道貴人はすごく嬉しそうにそう言って、高橋君の走りを見守った。



陸上部に所属している高橋君はとても安定した走りを見せた。



「高橋はぇーーなぁ!」



感心しながらつぶやく海道貴人。


それを聞きながら、



……って言うかあんただって十分すぎるくらい速いって・・・・・!!と思う私。


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