涙流~~RURU~~
あいつはそっと俺のハチマキを手にした。



「貸して…あたしが巻いてあげる」



俺の髪に触れる細い指。



俺にハチマキを巻き、結んでくれた。



「サンキュー」



余裕そうなふりも大変だよ。



本当は・・・・・あふれるくらいの緊張と、



ドキドキする気持ちでいっぱいだから・・・・・。



人が周りにいなかったら確実に抱き寄せてたな・・・・・。



ヤバイ・・・・・ヤバイ・・・・・マジ、俺・・・・・余裕ないじゃん。



周りに人がいてよかった。



これ以上あいつに避けられるには嫌だし。









さぁ・・・・・これから始まるから。



俺達の・・・・・『リレー』・・・・・



今はリレーに、走る事だけに集中しよう・・・・・。



俺は深呼吸をして、スタートの時間を待った。
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