涙流~~RURU~~
「名前!名前だよ。俺さぁ、名前聞くのを忘れて…」



気のせい?少し照れたような恥ずかしそうな言い方。



「俺は青谷智也(あおたにともや)R高校の2年…君は??」



少し低くて優しい声。



その声は心地よく私に響く。



「…渡辺…琴弥です。」



「琴弥ちゃんか。何年生?」



「1年です」







青谷智也君か………。



ひとつ上なんだ。



「これ…今度もし会う事があったら絶対渡したいって思ってたんだ」



そう言って私に何かを渡す智也君。




「えっ?…あ、ありがとう」



ポケットから、さっと私へ差し出したのは小さなケースに入った絆創膏だった。
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