涙流~~RURU~~
「母さんがそれ…見つけてさ…俺に見てくれって…。母さんは何も知らなかったから驚いて、泣きじゃくって…大変だった…でもどんなに泣いてももう舞華は戻ってはこないって」



どんな状況だったか・・・・・



浮かぶ光景・・・・・。



日記を見せながら、智也君に向かって、怒鳴るように智也君を責るお母さん




なんで言ってくれなかったの??・・・・・本当のあの子の気持ちを・・・・・



知っていたなら・・・・・話してくれていれば・・・・・



救えたかもしれない・・・・・あの子の命・・・・・。








お母さんは止まることのない涙で悲しみという気持ちを流す。



それから何日も言葉を交わす事はなかった智也君とお母さん。



でもある日、お母さんは何かに吹っ切れたように智也君に言った。






「きっとね…舞華は…きっと私達を見てるわよね?私達が仲良く過ごさないと…あの子が悲しむわね…」



「母さん…」



「智也、ゴメンなさいね。母親なのにそんな事も分からないで……私は母親失格かもしれないわ……」



「母さん?俺が母さんを支えていくから。必ず…舞華の分まで…だから…だから…」



それは智也君とお母さんの心が初めて通じ合う瞬間だった。





< 207 / 219 >

この作品をシェア

pagetop