涙流~~RURU~~
また再び視線が重なる。



そして私の鼓動がどんどん早くなっていく。



智也君から受け取ったのは、ピンク色の透明なケースに入った絆創膏だった。



「超かわいい!」



思わずニッコリしてしまう。



そんな私を見て嬉しそうに智也君も笑った。



「あの時はありがとう。あの朝はちょっと色々あって…頭ん中パニクってて…なんだか初めてあった君…じゃなかった…えっと、琴弥ちゃんにすごく救われたっていうかさ…」



頭をかくような仕草をして、またちょっとだけ笑う智也君。



あの朝…。



智也君は急いでたって言ってたっけ?



何かあったから…



急いでたって事だったのかな。



「…てか寒いなぁ〜」



クシュンっ…。



コンビニの制服のまま外へ出て来た智也君。



大きなくしゃみをした。




その瞬間、



「……っ」



また視線が重なって…



私の鼓動はもっと早くなっていった。
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