涙流~~RURU~~
アノヒ…オレノ…イモウトガ…シンダンダ…。



何度もこだまする智也君の声。


ずっと私に言えずにいたんだね。


「私、知らなくて…」


「いいんだ。黙ってたのは俺だし…でも言えてよかった。俺達にとっては大切な記念日だもんね」



「知らなくて…」





付き合うって事になって、浮かれてた。



まだまだだね。私。



知らなすぎる。



出逢ってもうどれくらいたつ?どれだけ智也君を知ってる?



「自殺だったんだ。あの朝…自分の部屋で…それでさ…」




もういいよ。好きだって気持ちだけじゃ…駄目な事もある…。








辛い事…言えない事、考えないで。



智也君の声が聞きたかっただけ…。



悲しい声に胸の奥がズキズキするよ。



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