涙流~~RURU~~
誰もいない部屋で、また朝が来る。



智也君の声が頭から離れなくて、よく眠れなかった私。



「明日の日曜、うちに来ない?琴弥まだ1回も来た事ないよね」



じゃあねと、電話を切ろうとした時、智也君が呟くように私に言った。



今日は日曜…母は結局帰って来なかった。




1人で朝ごはんを食べる私。




智也君との約束の時間まではまだ余裕があった。ゆっくり流れる時間はの中では色々な事が浮かんでしまう。



そして考えてしまう。





出逢ってからもう半年だ。




智也君は3年生になり、受験勉強が忙しくなっていた。R高校はこの辺では名の知れた進学校だ。遊んでなどいられないのは私もよく分かっていた。



だから…




日曜に誘われるなんて久しぶりだった。





嬉しかったけど…



「妹の事は会ってから話すね」



なんだか気持ちは複雑だった。
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