涙流~~RURU~~
「自殺…しようと…したの…この子…っつ。今…救急車……呼んっ…で…それで…」



言葉にならない涙。そして伝わる恐怖と焦り。



そして、その母さんのそばにいるんであろう舞華…。



「母さん?母さんがしっかりしないでどうすんだよ!今、舞華を支える事が出来るのは、母さんしかいないんだから!」



大丈夫だよって言いたかった。



言い切ってあげたかった。



心配要らないって母さんを安心させたかったよ。



そうできるならね。



でも優しい言い方なんて俺には出来なかった。



怒鳴るような俺の声に、通り過ぎる人達がこっちを見るのが分かる。



「とにかく俺帰るから、しっかりしろよ!」



そう言って俺はさらにスピードをあげ、自転車をとばしていったんだ。
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