涙流~~RURU~~
「あ…はい。痛いけど…大丈夫」



「本当にごめんなさい。俺、なんて言うか…その…ちょっと急いでて」



私の言葉に少し安心したのか、声のトーンがちょっとだけさっきより高い。



そして、集めた私の荷物をそっと差し出して、私の自転車を起こしてくれた。




私も制服についた汚れを取って、その男の子を見た。



R高校の制服を着ていて、短めの髪。健康的という言葉がピッタリの小麦色の肌。



背は高く、鞄と青いスポーツバックを持っている。



そして、何気なくその男の子の手を見た私。








「あ…!」







男の子の手の甲から血が流れている事に気がついた。
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