涙流~~RURU~~
「そっちこそ大丈夫?血が……」



私は鞄からポーチを取り出した。



確か…ここに…



確か…そう、入っていたばず…。



「あったっ!」



そう言って差し出した絆創膏。



「いいです。こっちが悪かったのに…なんだか申し訳ないし。君が怪我してなくてよかった」



「じゃあ、かして」



「……」



受け取ろうとしないその手を、私はそっと自分に引き寄せた。



ハンカチで軽く押さえ、絆創膏を貼って。



目の前には少し緊張ぎみの表情が見える。



どれくらいの時間がたったのか…そういえば、この人急いでたって言ってたな…。








もしかして迷惑だったかな。
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