涙流~~RURU~~
そうか…なんとなく伝わるのかな…。



私から切り出さない話題……。智也君が不思議そうに私の顔を覗き込む。



言葉にしなくても何か…伝わってるの?



言うべき??それとも黙っているべき??



海道貴人とは別に何もない……。



けど、けどね…ただ一瞬ドキドキして…。



それが自分でも許せないって思ったんだ。



けど…やっぱり言えない…。言わないほうがいいのかな?



「うん…学校でね、ちょっとあって…なんか…智也君の顔が見たくなった…の」



どこかぎこちない言い方で答える私。



グラスに手を伸ばし、残りのミルクティーを飲みほした。



言葉では上手く説明出来ない…って気がして、結局何も言えなかった。



智也君は黙って、小さく頷くとそっと私の頭を撫で、髪の毛を触った。



智也君の指が髪にそっと触れる感覚が、私を落ち着かせてくれた。



「智…也…く…ん」



せつないくらい…大好きで、そして、この人が私を支えてくれている事実……。



海道貴人の事は考えない。そうしようって思った。



「そんな泣きそうな顔すんなよ…俺は何があっても琴弥を大事に思ってるよ。俺の事…一番分かってくれるのは琴弥だし、琴弥の事、一番分かってるのは俺だから」
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