涙流~~RURU~~
帰り道、私を家まで送ってくれた智也君。



心配だからって手を繋ぐ。



自転車で行かなくてよかったと思う私。



送ってもらえるのは彼女の特権♪



と、内心喜びながらも、



「ごめん…予備校の時間…過ぎちゃうね」



と、私は小さく呟いた。



手を繋ぎながら、私は智也君の少し後ろを歩いた。



優しく私の手を包む手はとっても温かで、それを感じるだけで幸せな気持ちになれた。



私の大好きな人の手。



「いいんだ。せっかく琴弥から会いたいって言ってくれたんだから、そんなすぐにバイバイなんてもったいないじゃん」



って、いたずらっ子みたいな可愛い笑顔。



普段の真面目な感じもいいけど、私はこっちの智也君がもっと好きだなって思う。



私の大好きな人の声、言葉、伝わる体温……。



もう私に迷いはなかった。



智也君以外の人に…ドキドキしてしまったとしても、それは恋ではないから。



全く違うって分かったから。



だから



もう…焦らない。



もう…迷ったりしないって思った。




迷わない。
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