涙流~~RURU~~

高まる思い~~智也~~

急げ…急いで…間に合うように………。



約束は6時だよな。時間まであと2分………。



俺はダッシュで向かってた。



向かう先は待ち合わせのドーナツ屋。



そこへ向かって走る、走る、ひたすら走る。



前に琴弥に言われた事があるんだ。



「智也君って時間に正確だよね。約束の時間に遅れた事ないし!だから私も絶対待ち合わせに遅刻しないように頑張るね♪」って。



ちょっと照れながら、そんな事を言う琴弥の表情が、あまりにも可愛くて見とれてしまった俺……。



それから、ずっとその時の琴弥の表情が忘れられなくて、



それ以来、琴弥にとって俺は『時間に正確な彼氏』って事になってるんだ。



だから今日も俺は走って、琴弥に会いに行く。



俺は息を切らせながらも、走る。



あと少し…あと少し…。



人ごみをかき分けて、走って、走って…。


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