涙流~~RURU~~
「琴弥の笑顔見たら俺、元気出たよ!」



何気なく口から出た言葉。そんな言葉にも喜んでくれるんだね。



一緒にいる時間はいつもあっと言う間だよ。



時間を気にしなければいけない俺。本当はね、時計なんか気にしたくないんだよ。



琴弥といる時間以外の時間なんてなくてどうでもいい。



そう思いながらも一緒にいる時間はあっという間に過ぎていくんだよね。



ヤバ……。もう行かなくちゃいけねぇーな……。



俺の時間を気にする態度が伝わったのか、琴弥の表情が少しだけ曇る…。



ごめんな…落ち着いたら毎日会おうな!心の中の俺が呟いた。



でも帰る前に1つだけ確かめたいことがあった。



俺が気になってた事。



俺の勘違いなら笑って帰れる。



どうしてもあの時の電話の時の琴弥は、何か俺に言いたかったんじゃないのか…って。



なんかやけに引っかかるんだ。



「で、琴弥?今日なんか俺に言う事とかあったんじゃないの?」



俺の言葉に少し目を見開く琴弥。



なんなんだよ…。その反応…そのハッとした顔がますます気になるよ。



すると、俺を見て少し間をおいて琴弥が口を開いた。



「うん、学校でね、ちょっとあって…なんか…智也君の顔が、見たくなった…の」



不安げな言い方の目の前の琴弥。



そんな君を見たら、押さえ込んでた感情が…出てきそうになるよ。



気まずそうに言った琴弥の言葉が嘘か本当かは分からない。



でも俺は琴弥を抱きしめたくて……今すぐにでも



抱きしめたかった……。


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