涙流~~RURU~~

雨とともに

ガチャン…。ドアを開け、私はそのまま玄関へ座り込んだ。



頭の中…混乱してる。まだドキドキしていて……。



ドクン、ドクン、ドクンってうるさいくらい心臓が音をたてる。



まだ残ってる智也君の腕の感触……。



力強く抱きしめられた感覚が……私の体から離れない。



思い出すだけでも、私をこの場から動けなくする。



智也君の吐息も…呼吸も、気持ちも……すべて、



そう……鼓動も……私の体に伝わって。









真っ暗な部屋に入り、電気を付けた。



鏡に映った私は赤い顔をしていた。



携帯を鞄から取り出すと、着信メールが1件。



画面には『智也君』



さっきの智也君の顔がとっさに浮かぶ。






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