manaloha
[ぼくをさがしに]という本の中で[ぼく]は自分に足りないかけらを探すために旅に出掛けます。
いろいろ試してみますが、なかなかぴったりのかけらは見つかりません。
旅を続けているうちに、やっとぴったりのかけらに出会いました。
うれしくて真ん丸になりました。
これからは寂しくない。
足りないパズルのピースが埋まったのです。
でも、ある時、気付きました。
歌が歌えない。
真ん丸では立ち止まれない。
立ち止まってまわりの景色を見ることも、蝶とお喋りすることも出来ないのです。
[ぼく]はそっとかけらを離しました。
またひとりで旅を続けます。
余裕って必要です。
余裕がなくなった時の攻撃的な自分は最悪です。
それを知っているので、その芽が出ないようにしなくてはいけません。
今、カイルに呼ばれてリビングに降りて来ました。
オレンジ色の灯りのお部屋に一歩足を踏み入れると、そこは夕食の良い匂いとあったかい空気に満ち溢れています。
いくらマナがこんな小賢しい雰囲気を醸し出そうとしても、ほら、あっという間に一蹴されてしまいました。
よし。
明日は旅に出よう。
決断です。
何の旅かって?
ハワイアンキルト。
最近、久しぶりに針をちくちくやっていますが、糸が足りなくなってしまいました。
なので全部途中で止まったまま。
糸が足りないのです。
手芸品屋さんへの、旅へ出掛けなくちゃこれ以上もう進められません。
はぁ。
(あ、やばっ)
ちっちぇーな、マナ。