manaloha
こんな毎日の中で、今週に入ってからマナの中に変調が起こっているのに気が付きました。
きっと、ちょっと前からその芽はあったのでしょう。
それに気付くと、それはマナの中でどんどん大きくなって、ひとつの言葉を作り出しました。
寂しい。
なぜでしょう?
確かに、前の仕事を辞めてから1日に会う人の数は全然違います。
でも、少し減ったけれどメールや電話はまだまだあります。
家に帰れば家族もいるし、周りにはお友達もいます。
なぜでしょう?
泣きたいのです。
マナは考えました。
我慢出来なくなって少し泣きました。
泣いたらちょっとすっきりして、少し戻りました。
でもやっぱりおかしい。
そんな中で、昨日の夕方、社長にお使いを頼まれました。
ビルの屋上の倉庫からガムテープを5つ取って来るというものでした。
このビルの屋上に行くのは初めてです。
いつも使うきれいなエレベーターではない、荷物搬入用のエレベーターを使います。
長い道のりです。
屋上の鍵と倉庫の鍵と念のために携帯を握りしめて、気分はまさに、初めてのお使いのちびっこです。
ようやく屋上に上がり、倉庫を開けて、ドアが完全に閉まると怖いので、そこにあった塵取りでドアを支え、ガムテープを5つ抱えて倉庫を後にしました。
そこで初めて、それ、が目に飛び込んで来ました。
マナは思わずはっとして立ち尽くしてしまいました。
ああ。
これだ。
青い空でした。
ビルの間から見える青い空。
なんてありがたいのでしょう。
マナの中の暗雲の隙間から一筋の光が差し込んだのが分かりました。
恋しかったのです。
太陽と青い空が。