クリスマスの贈り物
ピンポーン♪ピンポンピンポーン♪

私は迷惑など考えずに何回も呼び鈴を押した。


―がちゃ

「誰よ。こんな時間にー」

「おばさん。愛は?」

私はすぐさま聞いた。

涙でボロボロの私。

「え?優香ちゃん。どうしたの?」

「ねぇ、愛は?いるでしょ?」

「まだ帰ってないけど・・・」


え?

じゃあ愛はどこにいるの?


「優香ちゃん。どうしたの?」

おばさんの心配そうな顔。


プルルル♪プルルル♪

その時愛の家の電話が鳴った。


この電話さえ鳴らなければ・・・


「ちょっと優香ちゃん。そこで待っててね。絶対動いちゃダメよ。」

放心状態の私。

私に何処に行けって言うの?

結局私は無力なんだよ。


「え?どう言う事ですか?愛が?嘘ですよね?ウゥ」

愛のおばさんが泣いていた。

愛がどうしたの?

私は急いで家に上がる。


「おばさん。どうしたの?」

愛のお父さんも不思議な顔でおばさんを見ている。

愛の二つ上のお兄さんも・・・


「あ、愛が・・・愛が・・・自殺・・・したって・・・○○病院にいる・・・って・・・」

え?

私が一番聞きたくなかった言葉。

「どう言う事だ?嘘言うなよ。」

「だ・・・って今電話で・・・」

「・・・行こう!病院。優香ちゃんも。」

私たちはおじさんの車で急いで病院に向かった。



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