クリスマスの贈り物
「あの・・・斉藤愛の母親なんですけど・・・」

「あっ今手術が終わったんですが・・・ここに着いた時には手遅れで・・・」

看護師さんは言いづらそうに答えた。

ねぇ、どうして私はここにいるの?

どうして愛はあんなメールをよこしたの?

私たちは看護師さんの後について行った。

他の病室とは違う部屋。

真っ暗で少し寒い。

外には警察の人がいた。

「まずは、面会してあげてください。」

中には愛が寝ていた。

「愛~!!!」

私は愛の元に走った。

誰よりも早く・・・

「ねぇ、愛何寝てるの?さっきのメール冗談なんだよね?変なメールよこさないでよ。心配するじゃん。ねぇ、愛起きてよ。起きていつもみたいに優香って笑ってよ。愛?愛?」

愛の顔は冷たくなっていた。

揺らしても揺らしても起きない。

ねぇ、どうして愛は死んだの?


「優香ちゃん。やめなさい。もう愛は・・・愛は・・・死んだんだよ。」

「嘘だよ。絶対に嘘だよ。」

私は床に泣き崩れた。


おばさんもおじさんもお兄ちゃんも私より辛いはず。

私は出会って3ヶ月ぐらいだもん。

でもおばさんたちはもう12年愛と生きてきたんだもんね。


「そろそろお話をしてもいいでしょうか。」

警察の人がこの雰囲気も考えないでそんな事を言ってきた。

「はい。」

おじさんは返事する。

一回部屋を出ることになった。

私は愛のお兄ちゃんが支えてくれた。
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