クリスマスの贈り物
「愛さんは学校の屋上から飛び降りました。」

学校?

何で?

「しかし飛び降りた所がコンクリートだったので、ここに運ばれたときにはもう・・・警察としては自殺と断定しているのですが、何か心当たりはありませんか?」

「いえ・・・特には・・・普通に明るい子でしたし・・・悩んでいる様子も・・・」

「そうですか。実は手に携帯を持っていたのですがそれも潰れてしまい見ることができません。」

「・・・たし。」

「え?」

お兄ちゃんの横にいる私が口を開いた。

愛の事実は私しか知らない。

そしてあいつを捕まえるのも・・・

何で私はこんなことしかできないんだろうね。

もっと早く止めれていたら・・・


「最後に愛がメールをした相手は私です・・・」

消えかける声でなんとか私は言った。

「どう言う事ですか?」

「メールがきたんです。もう生きる自信がないっていう・・・でも私嘘だと思って、確かめるために愛の家に行きました。そしたら・・・そしたら・・・うわーん。」

「そのメールありますか?」

私はポケットに入っている携帯を取り出した。

メールを開いて警察の人に渡す。

警察の人は声を出してそれを読んだ。

とても悲しいメール。

読み終わりおばさんは泣いた。

おじさんも我慢していたが泣いている。


ねぇ、愛?

愛はどうして私たちのことも考えてくれなかったのかな?

愛が死んだら私もおばさんもおじさんもお兄さんもみんなが悲しむんだよ?



「愛さんに何があったんですか?君なら知ってるよね?」

私は静かにうなずく。

そして話し始めた。

悪夢の2ヶ月間のことを・・・


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