クリスマスの贈り物
私は全て話し終わって涙でぐしゃぐしゃの顔のまま弘樹の顔を見た。

弘樹は下を向いている。

長い沈黙・・・

やっぱり弘樹なら受け止めてくれるって思ったのは気のせいだったね。

帰ろう。

もう会う事もないかな・・・。

話さなきゃ良かった。

でもなんかね、とても気持ちが楽になったんだよ。

話しながら前に進もうという気持ちになったんだよ。


私は静かに席を立つ。

と、その時背中で暖かいものがあたった。

え?

弘樹?


弘樹は私の事を後ろから抱きしめてくれたのだ。

「ひ・・・ろ・・・き。」

弘樹は答えない。

もしかして泣いてる?

私のために泣いてくれてるの?

「弘樹。みんな見てるよ。座ろう?」

私たちはまた座った。

今度は隣同士で・・・


「ズズ。俺・・・」

やっと口を開く弘樹。

「ん?」

「俺・・・かっこ悪いな。本当はお前の事助けてやりたい。けど、俺泣いてるだけじゃん!」

弘樹は下を向く。

「・・・い。そんなことない!私・・・弘樹に話してすっきりしたよ?なんかね-わかんないけど、話してよかったって今すっごく思えてるんだよ。」

本当だよ。

弘樹・・・


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