瞳の中には君が居て



「…………………」


夜、ひとの話し声で目が覚めた。
携帯をみると真夜中の三時。
あたしは眠い目をこすりながらおばあちゃんの部屋である、和室へと歩く。


おばあちゃんの部屋からはあかりがもれていた。


「…………嫌です!」


おばあちゃんは電話で何かをはなしているようだった。

「…あ…こ……!…物じゃ……!」

瞳に涙がいっぱい溜まっていた。

「………おばあちゃん………?」

おばあちゃん。
何があったの?
どうしたの?
何で泣いてるの…?

おばあちゃんが泣いているのをみたのはこのときがはじめてだった。




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