瞳の中には君が居て
あたしはムカムカしながら一年生の教室へ行った。
あたしが顔を出したとたん騒ぎ出す一年生。
そんなに二年が珍しいのか?
そんなことを考えながらもあたしは転校生を探しはじめた。
見たところ、かっこいいひとはいない。
あたしはしだいにイライラしてくる。
何なの。
いないじゃん。
竜心の嘘?
あたしが教室をあとにしようとすると、
「空星先輩っ」
声をかけられた。
女子や男子の集団。
「……………」
あたしは睨みながら黙る。
「やっぱりかっこいいなぁ~っ」
「綺麗だし!」
そんなことを言うためにあたしを引き止めたの?
「………………うるさい…」
あたしは怒りで震えた声で言った。
「…………………?」
「いま何か聞こえなかった?」
「え?なにも?」
あたしがもう一度言おうとした瞬間。
「…………うるさ…」
「きゃーっ」
女子の甲高い声が廊下に響き渡った。
あたしは顔をしかめ、振り返る。