瞳の中には君が居て
「………ゆ…き…」
茶髪の少年。
目が大きくて、綺麗な二重。
ずば抜けた容姿。
「…………ゆ…」
あたしがもう一度よぼうとした瞬間。
「誰?」
そのことばにあたしは背筋が凍った。
「二年の空星さん。めっちゃ綺麗で美人でクールでそのくせ笑うと可愛い有名なひと!」
不良グループの赤髪があたしの説明する。
だけどあたしの頭にはそれが入ってこなかった。
ゆきじゃない?
ゆきじゃないの?
あたしは固まる。
「空星さん、いつもはかまってくんないのに今日は珍しいじゃん?」
赤髪の彼は人懐っこい笑顔でにこっと微笑んだ。
「………ぁ……うん……」