瞳の中には君が居て



「………へえー」
「あっ、コイツ今日転校してきた神原ゆき。」

人懐っこい彼が転校生を紹介してくれる。

「……え…っ!?」

あたしが声を荒げると、転校生は声をあげた。

「………?…何や?」


ゆき、関西弁?

「大阪からきたらしいよ。先輩、俺らと一緒にサボらない?仲良くなった記念にさ!」

「………え…」

「ねっ、行こっ!」

ぐいっと腕を引っ張って、廊下を歩く不良グループ。

「…えっ…え……っ…」

あたしは引っ張られるがままにみんなのあとを歩く。


「でさー…」

「……はは…っ…何やねん、それー。」

関西弁の転校生が笑う。
他の不良たちより遥かに大人っぽく、人懐っこい笑顔で笑う綺麗な転校生。





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