瞳の中には君が居て



「…………すきだよ…」
「じゃあ何で―…」
「……時々ね、わかんないの…」

竜心の表情の意味。
考え。

あたしを想う…気持ち。


「…………そっか…」
「………うん………」


暗い雰囲気になりかけたそのとき。

「そーだっ、俺たち自己紹介まだじゃねっ?」


赤髪の、人懐っこい彼だ。

「俺は、今西海斗!赤髪だから覚えやすいよっ。次はシンヤ、いけよ。」

シンヤ、と呼ばれた金髪男子。

「……夜国シンヤ……」
「もっと何か言えよっ」

焦る海斗。

「ごめんね、先輩。コイツ、無口だからさー」

「………うん…」


その日紹介してもらったのは全員で五人。

ゆき、海斗、シンヤ、航輝、リク。

ゆきは今日転校してきたばかりの転校生。
海斗は人懐っこくて可愛い弟みたいな存在。
シンヤは無口ですこしあたしに似てて、はなしやすい。
航輝はお調子者でみんなを笑わす元気なムードメーカー。
リクは頭が良くて、デキるヤツ。つまり、先生からお気に入りの不良。


一通り、名前と顔を覚えた。


「先輩も自己紹介してよ!」
「………え…」




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